ぼくらを取り巻く”音”について考えてみた。
行き交う人々の話し声や車のエンジン音、雨が降る音や空調の機械音などさまざまな”音”がぼくらの周りには存在します。
そして、それらは音楽を聴くとき、雑音に変わります。
好きな曲を聴くとき、まわりの雑音を消したい、曲だけに浸りたいという人も多いはず。
そういうときに便利なのが、まわりの雑音をスッと消してくれる
ANC(アクティブノイズキャンセル)搭載のヘッドホンです。
ぼくもANC搭載の『ATH-SR50BT』を愛用しています。
このヘッドホンは、ふとリラックスしたいときや集中して作業したいときなど、ANCが搭載されているので好きな曲に没頭することができます。
そんな快適なANC機能ですが、「ANCは欲しいけど、高くて買えないよ」という声もよく聞かれます。確かにANCは便利ですが、価格が高くてなかなか手が出せませんよね。
それでは、ANCを搭載したヘッドホンなのに、お手頃価格のこちらなんていかがでしょうか。
『
この『UrbanTrabeller2.0』は、優秀なANCが搭載され、複数の端末に同時に接続できるマルチポイントと低遅延コーディックaptX-LLに対応していながら、価格は1万円ほどに抑えた素晴らしいコスパのヘッドホンです。
- ANCを搭載
- コスパが最高
- 連続使用22時間の長寿命
- 物理ボタンで操作がしやすい
- 有線と無線のどっちでも使える
- マルチポイント対応で同時接続できる
- aptX-LLに対応してゲームや動画を低遅延で楽しめる
これなら、今までANCは高価で手が出せなかった人も、手が出しやすいのでは?
ということで今回は、ANC搭載の高コスパモデルdyplayの『UrbanTrabeller2.0』をレビューしていきます。
さっそくいってみましょう。
dyplayは、「Beijing Qunli Tiancheng Network Technology」という中国のオーディオメーカーが2015年に設立したコンシューマー向けオーディオブランド。
ANCを搭載したさまざまなBluetooth製品を低価格かつハイクオリティに開発しているメーカーです。dyplay公式サイト
今回は、メーカーのdyplay様から提供いただいてレビューしていますが、欠点も隠さず書いていきます。
ANCワイヤレスヘッドホン「UrbanTrabeller2.0」のデザインとセット内容
『UrbanTrabeller2.0』は、上に引き上げてゆっくり開くタイプの箱で、蓋の裏面までクッションが使われて丁寧な梱包がされている。
セット内容
中身を全部並べてみました。
- ヘッドホン本体
- USB-Cケーブル
- 3.5mmイヤホンジャックケーブル(150cm)
- 説明書類
- 収納袋
※ACアダプターは付属していません。
有線接続用のケーブルに収納袋まで入っていて、付属品が充実しています。
説明書もちゃんと日本語に対応。
デザイン
ぼくが選んだカラーは、「グレイ」というブルーグレイのようなカラーリング。
前作のUrbanTrabeller1.0を継承したデザインは、シンプルでどんなファッションにも合わせやすいです。
全体がラバーコーティングがされていて、つや消しのさらっとした感触が気持ちいい。
「グレイ」のほかにも「ブラック」と「レッド」の3カラーが展開されていますが、ブラックだけは少しデザインが違います。
イヤーマフには冷感合成プロテインレザー(ただの合皮かな?)というものが使われ、耳あたりが優しく程よい柔らかさで包み込んでくれます。
装着してみると結構密着感があって遮音性はなかなかのもの。
しかし、側圧は若干強めなので、頭が大きいぼくには長時間使用すると少しキツくなりました。その分、ズレたり落ちたりすることなくしっかりとホールドしてくれますが、寝ながらだと、さすがにずるずるとズレてしまいます。
頭が小さい人にはちょうどいいかも。
ハウジングの内側には装着する耳を表すL/Rの文字があります。
下部には充電用のUSB-Cポートと3.5㎜イヤホンジャックが配置。
イヤーマフから内側にパキっと折り曲げて、収納袋に入れればかなりコンパクトに。旅行や出張のお供にどうぞ。
収納袋の中は、本体を傷つけないように起毛素材が使われて、見えないところにも気配りを感じます。袋の素材は化学繊維です。
ヘッドバンドのアジャスターには、金属が使われていてサイズ調節のメモリが刻まれています。
このアジャスターは段階的に動くので調整も簡単。
トップにはラバー製の柔らかいクッションがあります。
重量は実測で281gでした。
これは、SONYのANCヘッドホン「WH-CH710N」が223g、Sennheiserの「HD 350BT」が238gなので、ヘッドホンにしては少し重めですが、使用していて重いとは感じません。
公式サイトや説明書を読むと、生活防水との記載があり、小雨程度であれば防げるそうなので、おそらくIPX4~5程度の防水性能がありそうです。
防水性能のことで、あらゆる方向から水の噴射を直接浴びても機器本体に有害な影響がないことを表す等級のこと。
『UrbanTrabeller2.0』は、耳をすっぽりと包み込むことができるオーバーイヤー型を採用。
イヤーマフによって程よく外音を遮ってくれるので、ANCをオフにしても十分音楽を楽しめます。
はじめに電源を入れると、中国語でアナウンスが入ります。
中国語だとよく分からないので、ぼくは英語に変更しました。
- パワーオフの状態で電源ボタンをLEDランプが赤青点滅するまで長押しする。
- 電源ボタンを一度離して、ダブルクリックする。
- これで次に起動すると、音声アナウンスが英語に切り替わる。
英語に切り替えて安心したところでペアリングをしましょう。
なお、一度登録すると次回から自動で接続されます。
しかも、 なんとマルチポイントに対応しているので、PCとスマホに同時に接続することができます。
先に再生したほうの音を自動で流してくれます。
さすがに同時再生はできませんが、切り替えは片方を再生を止めて別の端末で再生するだけOKでこれは本当に便利!!
ペアリング方法を読む
電源ボタンを5秒間長押しすると、LEDが赤青と点滅してぺリングモードになります。
それから接続する機器のBluetooth設定から「UrbanTrabeller2.0」を選択すればペアリング完了です。
Androidの場合 [接続済みのデバイス→新しいデバイスとペア設定する→「UrbanTrabeller2.0」]の順に選ぶ iPhoneの場合 [設定→Bluetooth→「UrbanTrabeller2.0」]の順に選ぶ
ワイヤレスヘッドホン「UrbanTrabeller2.0」のANCを体験してみる
『UrbanTrabeller2.0』を装着すると、オーバーイヤー型で密着性が良いので、付けるだけでも周りの音がある程度聞こえなくなります。
さっそくお気に入りの曲を再生してみましょう。
音質はANCで変化する
『UrbanTrabeller2.0』には、40㎜のダイナミックドライバーが使用されていて、6~10㎜程度のワイヤレスイヤホンとは違って、よりダイナミックな音を奏でてくれます。
対応するコーディックは、aptX/aptX LL/AAC/SBC。
特に「aptX LL」は、aptXの上位コーディックのひとつで、遅延を限りなく少なくしたもの。
つまり、ゲームや映画鑑賞に最適なコーディックなんです。
まだ対応した機器は少ないんですが、今後どんどん対応していく機器が増えていくので、ぜひ押さえておきたいコーディックですね。
まずはANCをオフにして曲を流してみます。
音質は、ワイヤレスイヤホンには出せない低音が効いたダイナミックな音で、ライブ映像を見るのが楽しくなりました。
中域の透明感が若干かけるものの、音割れや刺さりがなく、歌声がつぶれることなく聴けます。高域は距離が遠く、あまり主張してこない印象でした。
SONYの『WF-1000XM3』と比べると音質のクリアさは負けるものの、迫力は『UrbanTrabeller2.0』のほうが出ています。この価格帯でこの音質なら良い音質だと思います。
気になったのが、音量の調節幅がおかしいことです。
スマホの音量を上げると、だいたい50%くらいの音量でMaxに達します。
アプリによっては、5段階しかない場合もありますし、最小から1段階上げるだけで、けっこう大きくなってしまうものもあって微調整が出来ないのはいかがなものかと。
Androidの場合、「設定→システム→開発者向けオプション→絶対音量を無効にする」でスマホ側の音量に従うようになります。
しかし、ヘッドホンからの音量コントロールが効かなくなります。
ちなみに開発者向けオプションは、初期では表示されていません。
※開発者向けオプションの有効化はこちらを参考にどうぞ。
ちなみに、イヤーマフはしっかり遮音してくれるのに、少し音漏れします。
次にANCをオンで曲を流すと、かなり音質が変わりました。
さきほどのこもった感じが消えて、かなりクリアな歌声に。
膜がひとつ消えたような感じで、抜け感が増して歌声が一歩近づいて聴こえます。
低音の迫力はそのままに、より鮮明な音に変化しました。
ただ、残念ながら高域が強くクリアになった分、大音量にすると、ハイハットや女性ボーカルが刺さりがちになります。
基本的にANCを使うと、音が歪むと言わており、音割れや高域の刺さりが発生します。『UrbanTrabeller2.0』も例にもれず、ANCの弊害が確認されました。
このあたりが、高額なANC搭載ヘッドホンとの違いですね。
とはいえ、音割れは大音量ではなければありませんし、むしろANCをオンにすれば小音量で満足できるレベルで聴けるので、使い方次第かなって思います。
ということで、いつでも大音量でANCが効いた曲を聴きたいんだって人には、歪みが強くなるので『UrbanTrabeller2.0』はオススメできません。
そういう人はSONYの最高のANCを搭載した『WH-1000XM4』を選択したほうが後々の後悔は少ないと思います。
SONYのANCなら、本当の静寂をもたらしてくれますからね。
ちなみに、はじめて『UrbanTrabeller2.0』のANCをオンにして聴いたときは、音割れがひどくてとても聴いていられませんでした。
そのときのぼくのTweetがこちら↓
しかし、それからしばらく曲を流して馴染ませてやると、だんだんと音割れが落ち着いてきて、上で紹介したような音質に変化したので、もし手に入れたらしばらく様子を見てくださいね。
ANCの効果は優秀だが圧が強めだ
『UrbanTrabeller2.0』のANCは、フィードフォワード方式とフィードバック方式を組み合わせたハイブリット方式で、一般的にフィードフォワード方式単体よりも高精度な雑音除去が可能といわれます。
周囲の雑音を-28~30㏈低減できる性能をもつUrbanTrabeller2.0は、同社のさらに安価なANCヘッドホン「dyplay ANC Hybrid」(-25~30㏈)と比べて、安定して雑音の除去が出来るそうです。
実際に曲を流さずにANCをオンオフしてみると、雑音がスッと消えるのが実感できます。
ぼくがいつも使っている『ATH-SR50BT』よりも効きが強いですね。
ANCの精度としては、扇風機の風や機械音のような低音は綺麗に除去されて静かになります。キッチンの換気扇も半減しました。
しかし、話し声などの中高音は、ある程度削ってくれますが、普通に会話ができる程度には聞こえます。
全体的に、ANCの効果はなかなか優秀かな。
SONYなどのハイエンドモデルと比べると、中高域が削りきれていませんが、安価なANCなのでこれが限界と思われます。
このANCを「SONYと同レベルのアクティブノイズキャンセルだ」なんて言っているブログも見かけますが、個人的には全然違います!!
確かにSONYのANC搭載ワイヤレスイヤホン『WF-1000XM3』に迫るくらいの性能ではありますが、ANCヘッドホン『WH-1000XM4』とは全然レベルが違うので期待しすぎないようにしてください。
それにワイヤレスイヤホンを含めたSONYの製品とは、”ANC特有の圧迫感”がまったく違います。
この圧迫感とは、例えばエレベータに乗っていると、耳に感じる圧力のようなイメージです。
この圧力がけっこう強いので、ぼくは数時間ほど使用していると、聞き疲れてしまいます。
正直に言ってANCの圧が苦手な人には、このANCはあまりおすすめできません。
それと、ANCのスイッチと電源スイッチが同期していないので、電源を切っても、ANCが起動し続けます。
音楽なしでANCを使いたい人には便利な機能なんですが、電源切っても、ANCでバッテリーを消費するので、次に使うときにはバッテリー切れに…なんてことも起きてしまいますので注意が必要です。
確実にボタン操作できるのはいい
『UrbanTrabeller2.0』の操作ボタンは全部で4つの物理ボタン。
このボタンで、音量調節と曲送り戻し、曲のポーズ/スタート、ANCのオンオフが操作できます。
ヘッドホンだけで音量や曲を変えられるのは、やはり便利。
歩いてるときにヘッドホンだけで操作したいってときはよくありますしね。
このボタンは、ヘッドホンに手を持っていったところに、ちょうど配置されているので、自然に操作することができます。
そして、すべて物理ボタンなので、しっかりと押した感じがあって確実に操作できます。
これがタッチパネルだと、押したかどうかわからなかったり、手袋をしたままでは操作が出来なくなってしまいますからね。
『UrbanTrabeller2.0』には、3つのボタンしかないので見なくても操作できます。
ちなみに、有線接続時は、残念ながらこのボタンでの操作はできません。
2日は聞き続けられるバッテリー
『UrbanTrabeller2.0』には、500mAhのバッテリーが搭載されていて、単体で22時間連続で使用することができます。(ANCオン時は12時間)
たとえ、寝るとき以外ずっと聴き続けても2日はもってしまうバッテリーです。
ちなみに1時間で充電完了ですので、充電中にごはん食べてたら復活できます。
接続性能がすごい
Bluetooth接続は周囲の電波の影響で音が途切れることがあって、ブツブツ切れる曲はストレスになります。
そこで『UrbanTrabeller2.0』の接続性能を電子レンジを使って確かめてみました。
起動中の電子レンジに影響されず、どこまで近づけるかを確かめる。電子レンジに近づけば妨害電波が強くなるので、実験結果の距離が近いほど強い接続性能を持っていることになる。
参考数値(あくまで独自の参考値になります)
標準 5m前後
良 2~3m
最良 2m以下
測定結果は、なんと1.7m!!
かなり強力な接続性能で都会の駅でも途切れることはほとんどないと思われます。
通話性能はまぁまぁ
「UrbanTrabeller2.0」で通話も可能です。cVcノイズキャンセルがついたワイヤレスイヤホンに比べると、こちらのほうがグッと周囲のノイズを除去して通話しやすいのですが、声が遠く聴こえました。
すぐとなりを走る車の音が、ワイヤレスイヤホンが10だとすると「UrbanTrabeller2.0」の場合は7くらいでしょうか。ちなみにスマホの場合は0です。
ある程度抑えられてはいますが、スマホの性能にはまだまだ追いつけないようです。
ワイヤレスヘッドホン「UrbanTrabeller2.0」なら優秀なANCを安く体験できる
『UrbanTrabeller2.0』は、アクティブノイズキャンセリング(ANC)を1万円以下で体験できるので、安いANC搭載ヘッドホンを探している人には候補の一つに入れてもいいと思います。
- 優秀なANCを搭載
- 物理ボタンで操作がしやすい
- 接続が強力で途切れにくい
- 連続使用22時間の長寿命
- ANCオン時にクリアな音質になる
- マルチポイント対応で同時接続できる
- 価格が1万円以下でコスパが最高
- 有線と無線のどっちでも使える
- aptX-LLでゲームや動画を低遅延で楽しめる
- 音漏れする
- ANCの圧力が強い
- 音量調節の幅がおかしい
- 頭が大きいと側圧が強め
- ANCによる音の歪みがある
- ANCのスイッチが電源と同期してない
『UrbanTrabeller2.0』はオーバーイヤー型のヘッドホンで遮音性が高いので、ANCをオフにして聞いてもなかなかの没入感を得られます。
デザインも性別を問わず、カジュアルに使えるので、いろんなファッションに合わせることができます。
ANCは、圧迫感は強いものの優秀なANCでミドルスペックヘッドホンと同等の性能を持っています。
エントリークラスのANCとして最適なヘッドホンと言えますね。
しかも、ANCの他にも「マルチポイント接続」や「aptX LL」「強力な接続」 など魅力的な機能が盛りだくさんで、1 万円のヘッドホンとしてはかなり優秀だと思います。
Amazonなら気に入らなければ返品も可能なので、気軽に試してみてはいかがでしょうか。
やっぱりちゃんとしたANCが聴きたいならSONYの「WH-1000XM4」がオススメ
今回紹介した『UrbanTrabeller2.0』は、ANCのエントリー機でしたが、
もっとしっかり話し声もカットしたい
とか
圧が少なくて長時間つけてもツラくならないモノがいい
なんて『UrbanTrabeller2.0』に満足できない人には、圧倒的なANCを誇るSONYの『WH-1000XM4』をおすすめします。
『WH-1000XM4』は、周囲の話し声も含めたほとんど雑音を打ち消してくれて、本当に真の静寂が訪れます。
ほとんど雑音がない世界で、大好きな曲を思う存分聴きたいなら、『WH-1000XM4』の右に出るものはいませんね。
ちなみにひとつ前のモデルである『WH-1000XM3』でもかなりの効果がありますので、型落ちでお買い得なこっちもおすすめです。
『WH-1000XM3』と『WH-1000XM4』にはANCの他にも、「外音取り込み機能」や「NFCでペアリング」に「DSEEによるハイレゾ級の音質」と多彩な機能が目白押しのハイスペックヘッドホンなので、絶対に後悔させませんよ。
ということで今回は、圧倒的コスパのANC搭載ヘッドホンのエントリー機『UrbanTrabeller2.0』をレビューしてみました。
少々クセはありますが、やはりこの安さでこんな優秀なANCを搭載しているのは魅力的ですね!!
ぜひ試してみてください。
ということで、今回は以上。ディズ(@_MONOGREAT_)でした。
ばいば~い
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