“つい目を閉じたくなる音”ってあると思うんです。
それは、さまざまな楽器が使われたオーケストラだったり、綺麗なボーカルのアカペラだったり、「もっと細かいところまで聴きたい」そう思わせてくれる音です。
しかし、そういう音を再生するオーディオ機器がイマイチだと、せっかくいい素材でも細かな表現ができずにつぶれてしまいます。
だからと言って、いい機器は欲しいけど高価で手を出せない…
手頃な価格でハイクオリティなイヤホンはないものか。
そんな想いから生まれた「JPRiDE 」というメーカーがあるのを知っていますか?

『本物の音質とクオリティを、極限まで低価格で』
これをコンセプトにかかげたJPRiDEは、他社では10万円以上するようなハイクオリティな音質のイヤホンを1/5の価格で実現させた日本のオーディオメーカー。
音質とコストにとにかくこだわった社長の思想がホームページで熱く語られています。

今回は、そのJPRiDEが誇るハイエンドイヤホン「Premium 2020 LIBERTY」とミドルクラスの「Premium 1980 BLUE MOON」を試用できる機会をいただきましたので、じっくりと聴き比べてみました。
実際に手に取って聴いてみると、どちらも「目を閉じたくなる音はこれだ」と思えるような音質でしたので、その使用感も含めてご紹介したいと思います。
小さなオーケストラがそこにある「Premium 2020 LIBERTY」

まずはJPRiDEが誇るハイエンドイヤホン「Premium 2020 LIBERTY」からご紹介していきます。

本のように開く箱に丁寧に収まっている。


2種類のイヤーピースと簡易的な収納袋が付属。

シリコン製のイヤーピースは、軸が固めな標準イヤーピースと柔らかいダブルフランジ構造のイヤーピース。
このイヤーピースつけ心地は悪くないんですが、イヤホンを外すときに高確率で耳に残ってしまうので、気をつけて外さないとイヤーピースを無くしちゃうので注意が必要です。

ケーブルは、純度99.99%以上の無酸素銅ケーブルを使用。
柔らかくて取り回しが楽です。

ケーブルとの接続には、種類が多く一般的なmmcxコネクタを採用。リケーブルする際に選択肢が多く持てるのはうれしいですね。

耳と触れる部分には、透明なカバーがつけられたカーブが入っています。このRの部分は柔らかくて長時間つけていても耳が痛くなりませんでした。
JPRiDEが誇るPremiumイヤホン

カナル型のイヤホン本体は、JPRiDEのロゴが印字されたイヤーモニタータイプでシンプルなデザイン。少し茶色がかったブラックの筐体は、樹脂製で中が透けて搭載ドライバーをみることができます。

「Premium 2020 LIBERTY」には、Premiumの名に恥じぬクアッドドライバーが搭載されています。
中域と高域を担当する2基の BA (バランスド・アーマチュア)ドライバー と、材質の異なるコイルによって低域から中域をカバーする2基の 10.2㎜振動板 からなる デュアルコイル・DD(ダイナミック)ドライバー の合計4基のドライバーで定位感が良く音場が広い音を表現します。
クアッドドライバーが奏でる音に酔いしれる

4基のドライバーによって表現される繊細な音質は、まさにハイクオリティ。
オーケストラやJPOPなどさまざまなジャンルを試聴してみると、驚くことにどこでどの楽器が演奏されているのかが、はっきりイメージできます。
これは定位感や音源分離が正確で、それによって空間の広がりである”音場”を広く表現できていることから感じられるイメージです。
低域が得意なDDドライバーでは、バスドラムの力強い振動をしっかりと感じて迫力ある音にしてくれます。
低域でも少し高くなると、そこまで振動を感じないので、低音の微妙な違いを表現できているようです。
中高域は、女性ボーカルの伸びのある歌声が綺麗にはっきりと聴こえ、非常に抜けが良く高域も音割れせずにくっきりと聴こえてきます。
それぞれのドライバーで担当音域を分けることで、音が重なりあうような音場の広がりと絶妙な距離感の違いから、まるでライブ会場のような圧倒的な臨場感を味わうことができます。
それぞれの音が独立しているので、ボーカルが聴きやすく、安物のイヤホンとは比べ物にならないクリアさです。
このイヤホンは、音源分離が正確なのでオーケストラやボーカルグループのような音源が多い曲に特にオススメできるイヤホンでした。
「Premium 2020 LIBERTY」のスペック
項目 | スペック |
---|---|
ハウジング素材 | レジン |
ドライバー構成 | 2BA + デュアルコイルDD |
ドライバーサイズ | DD:10.2㎜ BA:5×4×2.68㎜ |
ドライバー素材 | アルミニウム 銅 |
振動板素材 | ポリプロピレン |
最大入力 | 5mW |
出力音圧レベル | 93dB/mW |
再生周波数帯域 | 20~40kHz |
インピーダンス | 1kHz:9Ω |
感度 | 1kHz:93dB/mW |
ケーブル長 | 130cm |
ケーブル素材 | 無酸素銅 |
接続部分形状 | mmcx |
クリアなボーカルを楽しめる「Premium 1980 BLUE MOON」

JPRiDEのミドルスペックイヤホン「Premium 1980 BLUE MOON」は、フラットな音質を目指し、すべての音源にマルチに活躍するオールラウンダーなイヤホン。
原曲に忠実な音で高い評価を得ているJPRiDEのヒット商品ですね。

透き通ったブルーが綺麗な筐体。

ブルーの標準イヤーピースとダブルフランジイヤーピースの2種類と収納袋が付属。
基本的に付属品は「Premium 2020 LIBERTY」と同じ。

ケーブルには良いものを。
「Premium 1980 BLUE MOON」には、130cmのOFC(無酸素銅)銀メッキケーブルを使用。
とても綺麗な銀色をしたMMCXプラグのケーブルで、見た目だけでなく、高域の伸びと臨場感を作り出します。
「Premium 2020 LIBERTY」のケーブルもそうですが、柔らかく取り回しが良いので、例え無音でいてもタッチノイズをあまり感じません。
ミドルスペックだけど最上の音質を目指して

「Premium 1980 BLUE MOON」のデザインは、その名のとおり透き通るブルーが印象的で、イヤホンの中央にはJPRiDEのロゴが印字されています。

繊細な中高域を表現するBA(バランスド・アーマチュア)ドライバーと、力強い低音のカッパー製コイル + 中高域のアルミニウム製コイルを合わせたデュアルダイナミックドライバーの合計3基のドライバーが搭載され、複数のドライバーを組み合わせることで空間を感じる立体的な音を作り出してくれます。
トリプルドライバーの音色
DDドライバー2基とBAドライバーのトリプルドライバーを搭載した「Premium 1980 BLUE MOON」の音は、「Premium 2020 LIBERTY」に次ぐ広い音場と方向感を持っていて、いろんな楽器を感じることができます。
「Premium 1980 BLUE MOON」は、JPRiDEいわく”バランスがとれた音“に調節されたイヤホンで、どの音も強調しすぎずバランス良く聴かせてくれます。
実際に聴いてみると、定位感・距離感が素晴らしく、その立体感のある音によって圧倒的な音場の広さを感じます。
バランスを重視した音質とのことですが、少し低域が強めで、それでいて、中高域のボーカルは1歩前に出て距離が近いような印象。
とはいえ、安いイヤホンによくあるようなドンシャリな音ではなく、女性ボーカルの抜け感があって艶のある歌声に、適度な低域の迫力によって音楽を楽しく聴くことができました。
このメリハリがあって深みのある表現を、1万円代のイヤホンでよくぞ仕上げてくれたなって感じの素晴らしい出来栄えです。
全体的にバランスが良くどんな音楽にも合わせることができますが、高域がかなり綺麗で伸びのある音質ですので、POPSやクラシックが好きな人にオススメできるイヤホンでした。
「Premium 1980 BLUE MOON」のスペック
項目 | スペック |
---|---|
ハウジング素材 | レジン |
ドライバー構成 | BA + デュアルコイルDD |
ドライバーサイズ | DD:10.2㎜ BA:5×4×2.68㎜ |
ドライバー素材 | アルミニウム 銅 |
振動板素材 | ポリプロピレン |
最大入力 | 5mW |
出力音圧レベル | 93dB/mW |
再生周波数帯域 | 20~40kHz |
インピーダンス | 1kHz:9Ω |
感度 | 1kHz:93dB/mW |
ケーブル長 | 130cm |
ケーブル素材 | 無酸素銅(銀メッキ) |
接続部分形状 | mmcx |
Premiumシリーズ 2020 LIBERTYと1980 BLUE MOON

両方とも聴き比べてみて、ふたつとも素晴らしいイヤホンでしたが、ぼくは「Premium 2020 LIBERTY」が好みでした。
というのも、ドライバーがひとつ多いせいか、複数の音が独立して重なるように鳴っていて表現により深みがあります。楽器の種類やボーカルが多いほどその性質が分かりやすく、まるで耳元にオーケストラがあるような圧倒的臨場感を得られます。
それに「Premium 2020 LIBERTY」は低域の迫力も素晴らしく、イコライザーなどで無理に強調した音とは違う自然で迫力ある曲に仕上げてくれるので、音楽や動画をさらに楽しめました。
さすがは上位機種ですね。本当にクオリティが高いです。
「Premium 1980 BLUE MOON」は、「Premium 2020 LIBERTY」と比べてしまうと少し音場が狭く感じるものの、その音質は本物です。少し低域が強めですが、ほぼフラットな音質で、強調しない音質はどんな音楽にも合わせられるオールラウンダー。
「Premium 2020 LIBERTY」に次ぐ音場の広さが魅力で、トリプルドライバーと銀メッキOFC(無酸素銅)ケーブルによって、伸びのある艶やかな歌声を楽しめます。
こちらは、コスパと音質を両立しているので、1万円代で高音質イヤホンを探しているならおすすめのイヤホンでした。
最高の音をワイヤレスで「Premium BTR-1」
今回紹介したイヤホンの他にもPremiumシリーズには、有線イヤホンを無線にできる「Premium BTR-1」もラインナップされています。

「Premium BTR-1」は、首掛け型のBluetoothレシーバーでmmcxの形状に対応しているので、今回紹介した2つのイヤホンも無線化することができます。

対応コーディックは、aptXとAACのほかに、ハイレゾ相当のaptX HDにも対応しているので、劣化を最小にして飛ばすことが可能です。

実際にaptX HDで2つのイヤホンを試してみると、空間が狭くなったことがはっきりと分かるくらいの変化はあるものの、音質はそのままに一般的なワイヤレスイヤホンとは明らかに違う素晴らしい音を流してくれました。
この音質のBluetoothレシーバーなら他社製品だと倍以上の値段ですが、6,800円の低価格におさえてくれたのも好感が持てます。ワイヤレス関係は、どうしてもバッテリーが弱ってしまうので、買い替えが必要になりますが、この価格なら買い直しもしやすいですね。
それに10時間連続で使用できるので、多くの人は丸1日使い続けることができますし、本体のボタンによってスマホを取り出さずに操作できるのはワイヤレスならではの便利な機能ですよ。

コードは形状記憶できるので、耳掛け/ストレート掛け どちらも対応できます。
aptX HDで高音質なワイヤレスが手軽に楽しめて、このタイプのBluetoothレシーバーにしては比較的安く手に入るので、「Premium 2020 LIBERTY」とセットで使うのがオススメです。

ということで、今回は『本物の音質とクオリティを、極限まで低価格で』を実現させたJPRiDEのハイクオリティイヤホン「Premium 2020 LIBERTY」と「Premium 1980 BLUE MOON」をレビューしました。
もしコスパが良いハイクオリティイヤホンをお探しなら、こちらを選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
それでは今回は以上になります。
ディズ(@diz_store)でした。
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