XROUND「VERSA」レビュー|抜群の音質とフィット感、強力な接続安定性をもった完全ワイヤレスイヤホン
今回は音質と使い勝手にこだわるなら必見のイヤホンです。
台湾のベンチャー企業の X ROUND は、手の平サイズのサラウンドプロセッサー「 XPUMP 」やダイナミックな音場と定位感を実現したハイレゾイヤホン「 AERO 」など優れた音響技術を使った個性的なオーディオ製品を開発している新進気鋭のオーディオメーカーです。
そんなXROUNDから初の完全ワイヤレスイヤホン「 VERSA 」が2020年8月に新発売されました。
このイヤホンは、大量の耳データによる快適なフィット感に、4つの音響技術によるこだわりの音質、防塵防水性能やワイヤレス充電など、ワイヤレスイヤホンとしての機能をこれでもかと詰め込まれた音響マニアの開発者がこだわり抜いた渾身の一品です。
今回はそんな期待度MAXの「VERSA」をレビューできる機会をいただきましたので、音質や装着感などの使用感を詳しくご紹介します。
You Tubeでも紹介しています。チャンネル登録よろしくお願いします。
XROUND「VERSA」
- おすすめ度4.6
- どんなモノ?
すべてにおいてハイスペックな完全ワイヤレスイヤホン
- ここが良い
クリアで繊細なフラットな音質
豊富な付属品
快適な装着感
最高の防塵防水性能
8時間連続使用できるバッテリー
ワイヤレス充電(Qi)対応
- ダメなとこ
ケースが開けづらい
ボタンが固い
CONTENTS
XROUNDの完全ワイヤレスイヤホン「VERSA」レビュー
デザインと機能
「VERSA 」は、ANCや外音取り込み機能はないものの、ワイヤレスイヤホンの一般的な機能をすべてカバーし、“音質とフィット感にこだわり抜いたイヤホン”ということで、クラウドファンディングで先行販売を実施したところ、多くのユーザーから注目を集め、台湾で1億円、日本では目標金額の28倍である1400万円を集め、延べ11,500人もの支援を獲得した XROUND の期待のワイヤレスイヤホンです。
イコライザーみたいな面白いデザインのパッケージに入っていて、プレゼント用にもピッタリです。
開封すると、なかなか高級感がある仕上がりでケースが収められていました。
フィット感を追求した豊富な付属品が特徴的なセット内容。
セット内容
- イヤホン本体
- 充電ケース
- Type-C充電ケーブル(15㎝)
- 説明書
- シリコンイヤーフック3セットSML
- ノンイヤーフックシリコンカバー
- Spinfit可動式コンフォートイヤーピース3セットSML
- VERSA遮音イヤーピース3セットSML
XROUND「VERSA」のスペック
項目 | スペック |
---|
チップセット | Qualcomm QCC3020(TWS Plus対応) |
対応コーデック | SBC / AAC / aptX |
対応プロファイル | AVRCP1.6 / HSP1.2 / HFP1.7 / A2DP1.3.1 |
ドライバー | 6㎜チタンPET振動板ダイナミックドライバー |
再生周波数帯域 | 20~20,000Hz |
感度 | 103dB |
インピーダンス | 16Ω |
連続使用時間 | イヤホン8時間 充電ケース32時間 ※AAC・50%の音量で測定 |
ケース充電時間 | 1.5時間(ケーブル/ワイヤレス) |
ケース充電方法 | ワイヤレスQi規格 / USB-Cケーブル |
イヤホン急速充電 | 15分充電で1時間使用可能 |
マイク | MEMS×2 cVc8.0ノイズキャンセル |
Bluetooth規格 | Ver5.0 /Class2 |
マルチペアリング | 〇 3デバイスまで確認 |
マルチポイント | ✕ |
片耳使用 | 〇 |
通信距離 | 10m/最大25m ※検証では直線距離で50m以上 |
防塵防水等級 | IP67 |
重量 | イヤホン片側 4.5g 充電ケース 40g |
保証期間 | 1年間 |
価格 | 13,073円 |
詳しいスペック等は、こちらをご覧ください。
ペアリング方法
STEP
ケースからイヤホンを取り出す
ケースからイヤホンを取り出すと、LEDが点滅してぺリングモードになります。
STEP
端末のBluetooth設定から「XROUND VERSA-L」を選択する
接続する機器のBluetooth設定から「XROUND VERSA-L」(もしくは「XROUND VERSA-R」)を選択するとペアリングが完了します。
Androidの場合
[接続済みのデバイス→新しいデバイスとペア設定する→「XROUND VERSA-L」]の順に選ぶ
iPhoneの場合
[設定→Bluetooth→「XROUND VERSA-L」]の順に選ぶ
2台目からは、1台目のBluetoothをオフにしてイヤホンを取り出し、2台目の端末で「XROUND VERSA-L」を選択すればペアリングできる。
デザイン
VERSAには、ブラックとホワイトの2カラーが用意されています。
ホワイトもかわいくていいですが、今回のレビュー機はブラックです。
落ち着いたゴールドでXROUNDのロゴがデザインされた大人な雰囲気のケース。サラサラした質感で指紋が付きにくくなっています。
ケースはワイヤレスイヤホンの中では標準的なサイズ(7.4cm×4.1cm×3.1cm)ですが、イヤホン込みの実測で 48g しかないのでかなり軽く設計されています。
フタを開ければイヤーフックごとイヤホンが収納されています。
イヤホンの収納は浅くて磁力も強すぎないので、簡単に取り出せて落とす心配がありません。
もちろんひっくり返してもイヤホンは落ちません。
ただ、このフタはひっかけて閉めるタイプで、ちょっと開けにくいのが残念でした。
XRのロゴがデザインされたイヤホンは、ケースと同様に落ち着いた雰囲気で、質感が違う部分もあって独特なデザイン。
ロゴの左にはインジケータLEDが隠れて搭載されています。
重さは片側4.5gとワイヤレスイヤホンの中でも軽い部類で、着けていて重さはほとんど感じません。
そして、なんと お風呂でも使える最高レベルの防塵防水性能(IP67) を持っています。
防水のワイヤレスイヤホンは珍しくないですが、防塵まで対応しているイヤホンはなかなかありません。砂埃が多いスポーツやお風呂でも気にせずガンガン使えるのはうれしいですね。
防塵防水性能IP67
防水性能IPX7
8段階中の7の防水性能。最大1mまでの水中に30分以上入れても機能を損なわない性能を持つ。
防塵性能IP6X
6段階中の最高の防塵性能。まったく塵埃を侵入させない性能。
VERSAに付属しているイヤーピースは、イヤーピースメーカーのSpinFitとコラボして金型から特注したVERSAに最適化したイヤーピースと、VERSAオリジナルの遮音特化型のイヤーピースの2種類。
- SpinFit可動式コンフォートイヤーピース(S/M/L)
- VERSAオリジナル遮音イヤーピース(S/M/L)
その他にもイヤーフック3サイズとフックなしのカバーが用意されていて、滑りにくい素材になっているのでイヤホンを滑って落とすことも少なくできます。
ケース内が広いので、市販のイヤーピースも付け替え可能。
バッテリー性能
VERSAのバッテリーは、単体で8時間 ケース併用で40時間使い続けられます。
これはAACコーディックでの仕様ですので、aptXの場合は2~3割程度短くなります。
実際に音量50%で各コーディックを使ってみた結果がこちら。
若干仕様よりも短くなりましたが、概ね仕様どおり使えそうです。
最大10Wのワイヤレス充電Qiに対応したケースは、有線とワイヤレスどちらも1.5時間でフル充電できます。また、イヤホンの急速充電にも対応していて、15分で1時間使えるので、急いでるときに便利。
ちなみに、イヤホンのバッテリーはスマホ画面から、なんと1%単位で確かめることができます。
USB-C to Cケーブルだと安全装置が働いて充電できません。
USB-A to Cのケーブルを使用してください。
操作性
「VERSA」のボタンは、XRのロゴ部分が物理ボタンになっていて、かなり強めに押すように作られているので誤作動をしにくくなっています。
しかし、押すたびに耳に押し込まれるので、耳に負担がかかるのが気になりますね。苦手な人いそうです…
ボタンを2回以上押すと「ピン」というアナウンス音がなるので、見なくても操作できます。
XROUND「VERSA」の操作一覧
操作 | 効果 |
---|
左2回押す | 曲送り |
左3回押す | 曲戻し |
右3回押す | 音量 + |
どちらかを1回押す | 再生/停止、受話/終話 |
どちらかを2回押す | 着信拒否 |
どちらかを2秒長押し | 音声アシスタント起動 |
XROUNDの完全ワイヤレスイヤホン「VERSA」レビュー
こだわりのフィット感はスポーツに最適
それぞれのイヤーピースとイヤーフックは、 S/M/L の3サイズが用意されているので、イヤーフックと組み合わせることで95%の人にフィットすることができるとのこと。
ぼくが装着してみたらこんな感じになりました。横からのでっぱりも少なくて見た目もいいですね。
SpinFit可動式コンフォートイヤーピース
これは、有名なイヤーピースメーカーであるSpinFit(スピンフィット)に、金型から特注して「VERSA」に最適化した専用のイヤーピースです。
SpinFitの”3Dクッション構造”という技術が使われていて、耳の穴に沿って動くのでフィット感が良く長時間使っても負担が少ないのが特徴。アジアサイズで小さめに作られていて、付属のS/M/Lは、SpinFit通常モデルのSS/S/Mに相当します。
実際に装着してみると、すごく柔らかくて軽く負担が少ないので、カナル型で圧迫感が苦手って人はこっちがオススメ。このイヤーピースをつけると中域が持ち上がるので、歌声がさらに聴きやすくなります。
VERSAオリジナル遮音イヤーピース
こちらは、XROUNDオリジナルの遮音性に特化したイヤーピースで、厚く固めのシリコン製のイヤーピースが耳の穴をしっかりと密閉してくれます。
今までいろんなイヤーピースを触ってきましたが、かなり固いイヤーピースで 周りの音をだいたい6割くらい抑えてくれました。
装着するときは、ぐりぐりっと押し込むように耳の奥に取り付けると、本来の遮音性が発揮されて低音に迫力がでます。
つけ心地としては、固くてけっこう強めなので長時間つけていると痛くなる人もいるかと思いますが、1〜2時間程度であれば問題ないと思います。
イヤーフック
このイヤーフックは、耳の溝にフックが突っ張る形でフィットするので、少々触れた程度では全く外れません。
普段はフックなしでも全然余裕なんですが、スポーツするときはフックありが断然おすすめです。かなり安定感があって、どんなに動いても外れる気配がありませんでした。
ちなみに、ぼくの場合はMサイズがちょうどよかったです。
はじめはLをつけていましたが、しばらくすると痛みが出てきたので、Mに付け替えました。
XROUNDの完全ワイヤレスイヤホン「VERSA」レビュー
フラットでクセがない素晴らしい音質
「VERSA」は、PETの強靭性とチタンの硬度性を生かした振動板で、正確で繊細なスピード感がある音を再現してくれます。
さらに、バランス出力っていうノイズが除去される出力方法を採用しているので、立体感があってクリアな音質になるそうです。
そして、そうして出来上がった音に対して、XROUNDオリジナルの3Dチューニングという音を可視化した図面で客観的に音質を評価して高音質を作り出しています。
そんな期待の音質を確かめるべく、いろんなジャンルの曲をaptXで聴いてみたところ、なかなか期待どおりの音でした!!
簡単に「VERSA」の音質をまとめると
「低域から高域までバランスよくチューニングされたフラットな音質で、どんなジャンルもそつなくこなす優等生」といった印象でした。
低価格のワイヤレスイヤホンによくあるんですけど、チューニングの際に低音を強調しすぎて、迫力はあるけど他の音を潰してしまったりするんですよね。
どこかの音を強調すると聴き疲れの原因にもなりますし、できればデジタルな強調は少ないほうが、歪みがないキレイな音にすることができます。
「VERSA」の場合は、低域から高域までどれも強すぎずバランスがいい音質なので、歌声がすごく素直に入ってくるなって感じで、オールジャンルで幅広く音楽を楽しめる音質のイヤホンでした。けっこう細かい音も表現してくれます。
音場の広さはそこそこといった感じで奥行を感じる音でしたが、トリプルドライバーで奥行のある音質で好評価を得ているAVIOTの「TE-BD21f」と比べると立体感が少し物足りない印象でした。ただ、シングルのダイナミックドライバーで、かつ1万円前半の価格帯ではかなり高レベルな音質だと思います。
音質だけで言うなら少し値段が高いAVIOTの「TE-BD21f」のほうがいいんですけど、「VERSA」の場合は防水やフィット感など使い勝手の面で圧倒的なメリットがあります。
XROUNDの完全ワイヤレスイヤホン「VERSA」レビュー
スマホ並みの通話でウェブ会議にも
「VERSA」には、MEMSマイクが2基搭載されていて、cVc8.0ノイズキャンセル機能によって、通話時に雑音を除去して相手に聞こえる自分の声をクリアにしてくれます。
実際に「VERSA」で通話してみたんですが、このマイク驚きです。だって、音声がスマホ並みの音質なんです!!!
周囲の雑音具合からイヤホンで通話してるなってのは分かるんですが、相手の声も自分の声も本当にスマホ並みにクリアで、今まで1万円程度のワイヤレスイヤホンでは到底不可能なレベルだったので本当に驚きでした。
屋外でcVc8.0ノイズキャンセルの効きをテストすると、通話音量が50%くらいのときは5m先の車の走行音が聞こえてしまいますが、通話音量を大きくすれば乗用車程度であれば、打ち消してくれてかなり静かにしてくれます。
イヤホンをしたまま走ってみると風の音が入りますが、それでも通話できるほどマイク性能は高かったです。
屋内での使用はまさに快適そのものでスマホ並みに話せます!!
かなりクリアなので、在宅勤務などでボイスチャット用のイヤホンを探している人にオススメしたい通話品質でした。
XROUNDの完全ワイヤレスイヤホン「VERSA」レビュー
接続性能が凄すぎる
ワイヤレスイヤホンは、音質のほかにも接続で使い勝手が分かれてきますので、そこもしっかりと確かめてみましょう。
「VERSA」にはQualcomm社の「QCC3020」が搭載されていて、このチップセットはTWS Plus対応に対応しているので、安定接続が期待できます。
テスト端末:Pixel4 XL
コーディック:aptX
接続性能
まずはどれだけ接続できるかをチェックします。
はじめに言っておきますが、コイツめちゃくちゃ強いです。
いつものように、2.4Hz帯を使っている電子レンジで以下の実験をします。
この実験の結果、なんと50cmまで近づくことができました!!!
というか目の前でもほとんど影響されなくて困りました。しばらくうろうろしていると2回ほど途切れが発生しましたが、一瞬で復帰して、ありえないほど強い接続を見せてくれました。
接続性能は、高いイヤホン=接続強い というものでもなく、なかなか各社苦労している部分ではあるんですが、ここまで強力な接続は珍しいですね。
それと接続距離もすごくて、直線距離で50m以上離れても余裕で接続されていますし、家の中であればどこにいようと繋がっているので、家事をしながら音楽を楽しむことができます。
また、マルチペアリングにも対応しているので、数台の端末を切り替えながら使うこともできます。接続の切り替えは、接続している端末のBluetoothを切ると数秒の間をおいて、接続したことがある端末に自動で接続されます。
遅延
動画と音のズレである遅延。「口と声がずれて聞こえる」リップシンク問題とも言われ、動画を見ていると音が遅れるので、どうしても違和感が出てしまいます。
aptXとAACで、YouTubeやNetflixを見て確かめてみましたが、遅延はほとんど感じませんでした。若干aptXのほうが遅延しているような気がしますが、動画を見るなら全然問題ないレベルです。
XROUNDの完全ワイヤレスイヤホン「VERSA」レビュー
とにかく快適に使えて在宅ワークにもおすすめだ
さてここまでXROUNDの「VERSA」をくわしく見ていきましたが、最後に特徴をまとめてみました。
ここが良かった
- クリアで繊細なフラットな音質
- 通話性能・接続性能ともに抜群
- Spinfitコラボのイヤーピースは快適
- 95%の人にフィットする装着感
- 最高クラスの防塵防水性能でスポーツに最適
- 8時間連続使用ができるバッテリー
- ワイヤレス充電(Qi)対応
ANCや外音取り込みはないものの、素晴らしい音質に、防塵防水や抜群のフィット感、通話と接続性能も良くって、おまけにワイヤレス充電機能付きなんて、いったいどこに弱点があるんでしょうか。
ケースがプラスチック製で非常に軽い代わりに耐久性が少し心配なのと、操作ボタンが固めなので人によっては耳への圧迫が嫌な人もいそうですが、それぐらいしか弱点がなく、本当に完成度が高いイヤホンでした。
とても優秀なイヤホンなので、基本的にどんな人にもおすすめできますが、特にこんな人におすすめかなって思います。
こんな人にオススメ
- 在宅勤務などでボイスチャット用のイヤホンを探している
- フラットで原曲に忠実な高音質なイヤホンが欲しい
- スポーツやお風呂でエンタメを楽しみたい
- 付け心地や使い勝手など多機能で便利なイヤホンがいい
AVIOTの「TE-BD21f」は、歌声が手前に浮き出てくるような音質で「ボーカル特化」と言えますが、XROUNDの「VERSA」の場合は、優秀な音質に、さまざまな便利な機能も搭載された「音質と使い勝手を両立したイヤホン」と言えます。
音質はもちろん、使い勝手やフィット感も大事にしたいなら、「VERSA」がおすすめですので、一度チェックしてはいかがでしょうか。amazonなら気に入らなければすぐに返品できますし、保証も1年ついているので安心ですよ。
ということで今回は、XROUNDの期待の完全ワイヤレスイヤホン「VERSA」をレビューしてみました。
ということで、今回は以上。ディズ(@_MONOGREAT_)でした。
コメント